スコラ・コンサルトは、プロセス型コンサルティングによる組織風土改革のパイオニアです。

03-5420-6251 ご相談窓口 平日9:30~18:00

メールニュース講読 お問合せ・ご相談

CCO(チーフカルチャーオフィサー)の誕生

2017年06月07日

私は今年の4月から、重仮設工事・鋼材リース・補強擁壁などを事業とする創業80年の名門企業、ヒロセ株式会社へ出向しています。

現在の私の肩書きは「CCO(チーフカルチャーオフィサー)/東京本店長付部長」。
ちょっと見慣れない役職名は、外部支援者だった私がはじめて企業内支援という立場をとることになり、新たに設定した役割です。

CCOはどの領域で何をするのか? まだ手探りの状態ですが、同社の廣瀬太一社長がめざす「社員が意味・目的を考えて仕事をする企業文化」を実現することが私の使命です。


●ヒロセの置かれた環境と経営トップの選択


外部支援者であるプロセスデザイナーがCCOとして「内側からの変革
支援」に転じるこの試みは、どのような意図のもとに始まったのでしょ
うか?

最大の理由は、ヒロセが厳しい経営環境のなかで、スピーディに確実に持続的な変化を望み、かつ社長自身を含めて社員だけでそれを実現するのは困難だと判断したからです。

ヒロセは建設業界の中でも参入企業が比較的少ないドメインに属していますが、ゼネコンの下請構造の中で価格競争を強いられる一方、慢性的な専門業者の人材不足、市況に左右される鋼材価格、現場の安全と就業環境の改善など、多方面の対応が求められる厳しい経営環境にあります。

もちろん、これまでも受注・着工前のプロセスの見直し、工場や工事現場での安全・品質向上の取り組み、お客様の声をきっかけにした業務改善の取り組み、自発的に課題を発見し協力して解決する仕事のやり方改革などが行なわれてきました。

さらに今回、私がCCOとして同社の人たちと一体で取り組むのは、「企業文化の創造」という生成的で時間軸の長い、もしかしたら企業にとっては永遠ともいえるテーマです。
それだけに、最低5年間は必要だろうと廣瀬社長は語っています。

多くの会社で、短期的な改善・改革活動が行なわれ、それなりに成果も出ています。
けれども、それが会社の血となり肉となり、習慣化されて、生き方(WAY)が変わるまでに至るかといえば、ほぼ皆無に近いのが実態だからです。


●私が考えるCCOの役割


「社員が意味・目的を考えて仕事をする」という新たな企業文化をつくる取り組みは、現状の組織が持つ文化的特性を壊すことなく、その一方で、社員の主体的な関わりのもとに現場で具体的な仕事の変化を生み出し、新たな文化的特性を加えていくという地道で泥臭い営みです。

私がまず始めたのは、東京本店メンバー(200人)との面談と各種会議、打ち合わせなど、日常化された仕事の場への出席です。
面談は一人1.5時間ほどで、すでに90人近くと話をしました。

就任後2カ月余りが過ぎた今、私が企業文化創造で一番大事だと感じているのは、「本業の核心は何か?」という問いから考える、ということ。

事業で勝ち続けるという目標を達成するために商品価値を刷新し続ける、そのために自社の強みを磨き続ける。
このプロセスの進化を当たり前のこととして習慣化する。それこそが環境変化を乗り越えて勝ち続ける企業の文化に他なりません。

そして、「CCOに求められるスタンス」として見えてきたポイントは次の5つです。

 

1 みんなと同じものを観て触るため「組織に棲み込む」
2 会社と社員の現状を歴史も含めて「まるごと」受け容れる
 (社長を含めて)
3 「変える」よりも「加える」
 (今あるものを生かす、短所是正より長所伸長)
4 現在地からスタートして一つひとつ積み重ねる
 (「こうあるべき」という立ち位置からみんなを呼びつけない)
5 生身の人間力で接する(素手で勝負する)


CCOの役割の本質は、会社の未来に向けて、みんなの手で組織の仕事文化を見直し創造していくこと。

その意味で、経営にとってのCCOは、会社を部分的・一時的ではなく、全体的・持続的に変えていくための有力なチェンジファクターとしての可能性があると思っています。

長野 恭彦

長野 恭彦(ながのやすひこ)

トップや現場との話し合いを通じて戦略上の焦点となる経営課題を導き出し、ネットワークをテコにして新しい仕事のやり方を試みながら課題解決に取り組んでいくプロセスデザインを得意とする。

詳細

  • メールニュースのお申し込み