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なぜ私がAIを手に取ったのか (後編)
~つねに揺らぐ「感情」を前向きに束ねることができたら

2017年11月06日

会議やミーティングなど、仕事における大事な局面やタイミングでのコミュニケーション。

それを健全なものにするため、もっとエビデンスベースドに“場の状態”を把握できないか。

そんな思いから、見えないところで話し合いの場に影響を及ぼす「感情」に目を向け、AIを活用して見える化しようと考えたのが1年前のことでした。



●変化のボトルネック、「感情の壁」を早く突き抜けるために

私がスコラ・コンサルトに転職しプロセスデザイナーになって10年がたちました。

スコラ・コンサルトの掲げる「働きがいと企業の成長をともに実現し、そのアプローチで日本の企業・社会を変えていく」という志に共感した転職当時の思い、「組織に必要な考え方や実践的アプローチを、多くの企業そして社会に届けていく」という覚悟は、今も私の中の原点であり行動の源泉になっています。

だからこそかもしれませんが、プロセスデザイナーとしての経験を積むにつれてどうしても越えられない課題にぶつかり葛藤が始まりました。

それは「私たちの手法は、まだまだ限られた範囲の人たちにしか届けることができていないのではないか?」ということでした。

私は、コンサルタントのような外部支援者は、クライアント、ひいては社会をよりよくするために存在していると考えています。

その考えに従えば私たちが培ってきたナレッジを、一部の人に限ることなく、もっと多くの人に、もっともっとわかりやすい形で届けていく継続的なチャレンジが求められていると思うのです。

その思いを遂げるために乗り越えるべき課題は数多く存在します。

なかでも私が特に大きな課題だと感じていたのが、現状を変えていくうえでの手段であり基礎となっている「話し合いの場の状態(プロセス)」が目に見えない、ということでした。

前にもふれたように、確たる答えを持てなくなった時代には、トップ一人ではなく、多様な現場の人々が立場を越えたチームとなって“答えづくり”の当事者になることが必要です。

そのチームづくりや、立場を越えた答えづくりをする機会は、経営会議やプロジェクト会議、部門や管理者の会議、部や職場の課題ミーティングだったりするのですが、こうした話し合いの場において、ボトルネックになりやすいのが「感情」なのです。

年数や経験を重ねた組織の人々が抱える感情は複雑です。

前回ご紹介したアンケート(=会議に関わるコミュニケーションの実態)の結果を見ても、「波風を立てたくない」「自分が発言しても意味がない」といった気持ちから、発言を自制している人は少なくありません。

表面上は会議も滞りなく進行し、出席者の合意が得られたかに見えても、待っているのは面従腹背です。

私たちがわざわざ「気楽にまじめな話し合い」というコンセプトでオフサイトミーティングのような話し合いをしているのも、そんな“感情にフタをしたまま”のコミュニケーションでは、組織は創造的になれないし、結果に実りがないからなのです。

とはいえ、感情は目に見えにくいものであり、今この場にどういう感情が存在し、場自体がどういう状態にあるのか、簡単にはわかりません。

目に見えないだけに、その取り扱いにはどうしても手間と時間を要していました。



●話し合いの状態を複眼でとらえ、蓄積したデータを活用していく

しかし幸運なことに、この10年で環境は変わりました。

クラウド時代になると、ネットとリアルのシンクロが始まり、情報化や情報活用の範囲は飛躍的に広がっています。
ついにはディープラーニングで進化したAIが商業的な脳として身近なサービスにも組み込まれるようになりました。

想像を超えた新しい環境の出現です。

そこに私たちの課題を解決できる手段を見いだせるのではないかと、思い切って踏み出してみたのが、今回のDIA diverのチャレンジなのです。

DIA diverがサービスの第一段階で想定しているのは、話し合いの場の中で起こる一人ひとりの「反応」や「感情」、そして目に見えない「場の空気」などを、AIの力で読み取り、見える化することです。

いくら場の経験が豊かであっても我々は人間ですから、一人の人間がキャッチできる情報にはムラがあったり把握に限界があったりします。

今まで私たちが五感と経験値とカンで取り扱ってきたそこの部分を、AI技術に助けてもらう。

そのうえで、参加者の表情や音声、言葉などから個々の内面の状態をとらえたデータをもとに、場の状態やコミュニケーションのレベルを判断し、阻害要因を見つけ、改善のための介入をしていくのは人間です。

データによって、話し合いの状態がレベルチェックできるようになれば、自分たちのコミュニケーションのあり方と向き合い、自分たちで見直すこともしやすいでしょう。

つまり、私たちが今まで以上に利き手を働かせるために、もう一方の手には補完的な新しい道具を持つ。

今までにないデータ活用の可能性も広がります。

それによって、創造的なコミュニケーションに向けて質的レベルを上げていくための、さらに効果的なプロセスを探っていけるのではないかと考えています。

DIA diverの目に見えないものを見える化する能力は、使い方次第では、私たちの日々のコミュニケーションの質を革新的に変え、他には真似のできない創造的な組織をつくり上げる可能性を秘めています。

DIA diverはまだ実用化の緒についたばかりで、AIもこれからトライアルを重ねることによって進化していきます。

本格的なサービスとして本領を発揮するまでには段階的な検証やバージョンアップ、プロセス構築などの周辺整備が必要でしょう。

まだまだ見極められない未知な点はたくさんありますが、この新しい取り組みに興味を持たれる方、創造的なコミュニケーションを職場の当たり前にしていきたいと思われる方々と、一緒に学習しながらチャレンジしていけたらと思っています。

辰巳 和正

辰巳 和正(たつみかずまさ)

大手金融会社管理職で組織変革の経験をもつ。2015年7月、スコラ・コンサルト代表取締役に就任。

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