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ジャパニーズ ビー アンビシャス!
『ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階』(J・コリンズ/日経BP社)を読みました。すでにお読みなられた方も多いと思いますが、偉大だった企業が衰退するのに五つの段階がみられるというものです。
 とくに最終一歩手前の第四段階は、起死回生の「一発逆転を求める」段階で、その現象として「カリスマ的な指導者を求める」「特効薬的な戦略を求め、結果として一貫性のない行動を続ける」「規律ある行動ではなく、あわてて条件反射的な行動をとる」などが挙げられています。

 これらの現象に、つい今の日本の現状を重ね合わせて読んでしまったのですが、同じような感覚を持たれた方も多いのではないでしょうか。

「どうなりたいのか」という国としての明確な意志がないまま、毎年のように首相が入れ替わり、政策に一貫性がないまま、世界の動きに対しても主体性のない反応的な対応を繰り返す。挙句の果てには豪腕と呼ばれる指導者を担ぎ上げればなんとかなるだろうという動きも出る始末。まさに衰退第四段階です。

 衰退する日本と、存在感を増す中国と韓国。
 たとえば、官民一体で輸出の拡大だけでなく、FTA締結、インフラ産業やコンテンツ分野の海外展開を積極的に推し進めて急成長する韓国の勢いとは大違いです。韓国が国を挙げた産業政策をとっているということもあると思いますが、少なくとも「国としてこうなりたい」という強い「意志」を官民が共有して戦略的に行動しているという点が、今の日本とは異なるところでしょう。

 では、日本の場合も積極的な政府の支援があれば、現在の低迷した状況を打開できるのでしょうか?

 私は仕事柄、企業のトップや役員層の方々とお話をする機会が多いのですが、残念な思いを持つことが多々あります。
 自社の企業活動を通じてどういうことをしたいのか、先々どうしたいのかという「意志」が迫力をもって感じられないのです。
「当社は質の高いサービスで社会に貢献し…」などという美辞零句の企業理念を掲げている企業は多くあります。しかし、ホンネ、ナマ声として「こうしたい!」という意志、あるいは大志を語られる経営者の方は少ないように思われます。

 経営戦略や中期経営計画に企業としての意志は示されていると言われるかもしれませんが、それらは「環境変化に対応するため」「親会社の方針に沿って」といった外部環境に受身的に反応する姿勢であったり、「こうなるだろう」という予測数値の積み上げにすぎないものであったりすることが実に多いのです。
 主体的な意志はほとんどみられません。まさに今の日本という国の現状と相似形です。

 しかし一方で、私たちの周りでは、未来に向けて「経営にもっと意志を入れていこう」と動き始める企業が出てきていることも事実です。
 たとえば、単なる予測数値を集めただけの従来の中期経営計画を見直して、まず役員層が「ビジネスを通じてこういうことを実現したい」「社会にこういうことをもたらしたい」という思いや大志を大いに語り合う。それを通じてビジネスや会社のグランドイメージを描き、共有する。
 それと並行して、そのイメージが社員にもオープンにされ、社員も「こういう仕事がしたい」という思いを話し合いながら「Willベース」で自分たちの事業と行動計画をつくり込んでいく、という取り組みを始めている企業もあるのです。

 こういう、青臭いけれど意志をぶつけ合える骨太の企業が日本にはまだまだあるというのは頼もしい限りです。

 最近になって、近代日本を創りあげた経営者たちの思想や足跡を読み返してみたりもしているのですが、世界に対しても堂々と信念の経営を貫こうとする圧倒的な「意志」をあらためて感じます。
 ほんの三、四代くらい前の日本人にはこういう気概と大志があったのです。
 
 今という時期は、日本の多くの企業がもっと「自分たちは何をしたいのか」という根源的なことを考えるべき時なのかもしれません。
 「大志ある企業こそが世界に影響を与える」私はそう思っています。
プロセスデザイナー 三好博幸




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