ネガティブフィードバックとは、相手の行動や結果に対して、改善点や課題を指摘するコミュニケーション手段の一つです。
その目的は、単に相手を批判するのではなく、相手の成長や組織全体の成果の向上を目指すことです。
適切なネガティブフィードバックをすることで、相手が自身の課題を認識し、改善につなげるきっかけになります。さらに職場内の信頼関係を構築することができれば、チーム全体の生産性向上などに波及します。
しかし、その伝え方には注意が必要です。不適切な伝え方をすると、相手に否定的な感情を抱かせたり、モチベーションを低下させるリスクがあります。
そこで、フィードバックをする際は、感情的にならず、相手がわかりやすい具体例を挙げながら、相手の状況や背景を考慮するといったスキルが必要です。これらは看護の分野でも取り入れられています。
このページでは、効果的にネガティブフィードバックを行い、個人や組織の成長を促す方法などについてご紹介します。
INDEX
ネガティブフィードバックとは何か?基本的な意味を解説
ネガティブフィードバックとは、相手の行動や結果を指摘し、改善を促すコミュニケーションの一つです。
これは単なる批判ではなく、相手の行動を改善するための指導的な要素を含んでいます。そのため、ネガティブフィードバックをする際は、課題の指摘に加えて、解決案も伝えることがポイントです。
もし解決案がなければ、相手はネガティブフィードバックによって、「批判された」と感じてしまいます。そのため、改善点を指摘しつつも、相手の成長をサポートする前向きな意見として、受け止めてもらうように伝えます。
その結果、相手は自らの問題点を認識し、指摘を前向きに受け止め、成長の機会を得ることができます。
ポジティブフィードバックとの違いを明確に理解する
ポジティブフィードバックとは、相手の良い点を具体的に褒めて、成長を促す方法です。一方、ネガティブフィードバックは改善点を指摘して成長を促す方法です。
この二つのフィードバックは目的こそ成長の促進で共通していますが、その伝え方には明確な違いがあります。
ポジティブフィードバックは肯定的な表現を用いるため、相手が受け入れやすく、モチベーションの向上が期待できます。
また、相手に将来の可能性まで示すことで、成長意欲が高まります。
さらにポジティブフィードバックは職場内に心理的安全性が醸成され、メンバーは安心して発言や行動ができるようになります。
一方、ネガティブフィードバックは具体的に改善点を指摘するため、受け入れづらい場合があります。ただ、適切にネガティブフィードバックを伝えることで、相手の成長を促す効果が期待できます。
両者のフィードバックの違いを理解した上で、相手の性格や状況を考慮し、適切なフィードバックを使い分けることが重要です。
フィードバックとは?その言葉の略や本来の意図
フィードバックとは、行動や結果に対する反応や評価のことです。
フィードバックの目的は、相手の改善点や良かった点に焦点が当てられがちですが、本来の目的はフィードバックにより、相手の成長を促進し、目標達成をサポートすることです。
そのため、フィードバックをする際は、相手のどのような点が良かったのか明確に伝える必要があります。これにより、相手は自分の強みを認識し、自己肯定感を高めることができます。
また、フィードバックは相手のパフォーマンスが向上するだけでなく、チーム全体の生産性を向上させる効果も期待できます。そのため、相手の行動がどのように貢献につながったのかまで伝えることがポイントです。
このように、フィードバックとは単に相手を評価する手法ではなく、コミュニケーションを通じて、人や組織の成長を支援するものです。
ネガティブフィードバックの目的とその効果
ネガティブフィードバックとは相手にとって耳の痛い情報を正しく伝え、相手の行動を改善するために有効です。
ネガティブフィードバックの目的は、相手に具体的な改善点を指摘したからといって、単に相手を批判することではありません。相手の行動の見直しを促し、相手の成長を支援することが目的です。
そのため、フィードバックをする際は具体的な内容を伝えることで、相手は自らの行動を客観的に見直すことができ、改善に取り組む意欲を高めることができます。
さらにネガティブフィードバックは組織全体のパフォーマンスを向上する効果が期待できます。
つまり、ネガティブフィードバックをする際は、相手が自ら改善点に気付き、それを克服するために前向きに捉える支援することがポイントです。
相手の成長促進のための重要なステップ
ネガティブフィードバックは、相手の課題や改善点を指摘し、相手の成長を促進するために重要です。
適切なネガティブフィードバックをすることで、相手は自分の何を改善すべきなのかを理解することができます。
また、具体的な指摘と共に改善点を提案することで、受け手が前向きに指摘を受け止める可能性が高まります。その結果、相手は良い行動をとり、目標達成に向けた課題に取り組みやすくなります。
そのため、まずはネガティブフィードバックを受け取る相手の現状を整理することから始めましょう。これにより、相手は自分自身を振り返るきっかけを得て、行動を改善できる可能性が高まります。
ネガティブフィードバックは相手を責めるものであってはなりません。言い換えると、改善点を指摘しつつも、相手の成長をサポートするための建設的な意見として伝えることがポイントです。
目標達成のサポートとしての役割
フィードバックは、相手の目標達成をサポートするために重要です。
相手が自らの行動を振り返り、目標達成に近づくために支援します。適切なフィードバックをすることで、相手は自分の現状を理解でき、次の行動を定めやすくなります。
一方、フィードバックがなければ、目標から逸脱し、自分の進むべき方向が曖昧になる可能性があります。このようにネガティブフィードバックであっても、目標達成のためには有効なのです。
フィードバックを受けた相手は、その内容を取り入れることで自ら改善策を見出し、目標に向かって前進することができます。
パフォーマンス向上の効果とは
ネガティブフィードバックは、パフォーマンスを向上させるために有効です。
成果を上げるためには、自己評価だけにとどまらず、積極的に他者からの評価も受け入れる姿勢が必要です。相手はフィードバックを受けることにより、強みや弱みを客観的に認識できます。これは相手の成長を促進することにもつながります。
また、ネガティブフィードバックにより、パフォーマンスの向上につなげるためにも、適切なタイミングやどのように修正点を伝えるべきかを考えることが重要です。
効果を上げる具体的なネガティブフィードバックの伝え方
ネガティブフィードバックを効果的に伝えるためには、様々な工夫が必要です。
相手にネガティブフィードバックを受け入れやすく、その目的を適切に理解してもらうためには、慎重に伝え方を考えることが重要です。ネガティブな内容であっても、相手の成長やスキルの向上につながるように配慮しながら伝えます。
効果的なフィードバックとは、相手に自らの行動を振り返る機会を提供し、改善や成長へつなげる内容です。そのため、フィードバックをする際はコミュニケーションを略さず、丁寧にとることで、信頼関係を築くことが重要です。適切にフィードバックができれば、相手の前向きな行動変容につながります。
つまり、フィードバックとは単なるコミュニケーションではなく、相手への期待や信頼を基に、相手の成長を促す有効な手段です。相手はその具体性と前向きなメッセージを受け取ることで、次の行動に向けて自信と意欲を持ちます。
信頼関係を基盤にした伝え方のポイント
ネガティブフィードバックは相手との信頼関係によって、フィードバックの受け入れやすさが変わります。
相手に丁寧にフィードバックをすることで、相手は自分の改善点を前向きに捉えやすくなります。特に、相手の感情に寄り添って伝えることで、相手は正しい意味を理解することができます。
もし、言葉の選び方や伝え方を誤ると、相手は不快やストレスを感じ、自信が低下する可能性があります。このようなリスクを避けるためには、相手の性格や置かれた状況を考慮し、わかりやすく伝えることが大切です。
そのため、日常のコミュニケーションを通じて、相手と距離を縮めておくことも、信頼関係を深めるうえで重要です。
例えば、新しいチームメンバーに対して、初めてフィードバックをする際は、丁寧に対話し、お互いを理解し合える関係を作りましょう。信頼関係が構築できて、コミュニケーションの質が高まれば、相手に伝わりやすくなります。
ネガティブフィードバックとは、相手との関係をより良くするためのプロセスであり、前向きに行動を改善するきっかけとなります。
客観的かつ具体的な指摘が重要な理由
ネガティブフィードバックをする際は、客観的で具体的な指摘が重要です。
抽象的な表現や感情的な伝え方をすると、相手に誤解を与える場合や、問題を正確に理解してもらえない場合があります。そのため、まずは相手を丁寧に観察し、行動と事実に基づいて話をします。
もし、メンバーの性格に関する問題点を突きつけると、相手はそれを解決するために何をすればよいのか分かりません。
一方、行動と事実に基づいて説明すると、相手は期待されていることや、どの部分が問題だったのかを具体的に理解しやすくなります。これが日常業務の範囲内であれば、相手の性格を否定することにはなりません。
その後、メンバーが適切な行動をとり始めたら、感謝や賞賛を伝えましょう。相手は周りからポジティブフィードバックを受け取ることで、自己肯定感が高まり、その行動を繰り返しやすくなります。
つまり、相手に具体的な行動や成果を伝えることで、徐々に相手の認識に変化が現れ、長期的には性格面まで変化が現れるという好循環が生まれます。
サンドイッチ型フィードバックの活用方法
サンドイッチ型フィードバックとは、フィードバックの効果的な伝え方の1つです。
その方法とは、最初と最後に努力や成果などポジティブな内容を伝え、その間に改善点などネガティブな内容を盛り込みます。これにより、相手は心理的な負担を軽減でき、モチベーション低下を予防することができます。また、自身の改善点を受け入れやすくなり、行動の改善を期待することができます。
サンドイッチ型フィードバックを行うことで、コミュニケーションの質が高まるだけでなく、相手との信頼関係をより強くすることが可能です。
早いタイミングでの実施の重要性
フィードバックは、相手が自身の行動に関して、記憶しているうちに行うことが大切です。
フィードバックを早いタイミングで実施することで、相手は具体的な行動を記憶しているため、より内容が伝わります。その結果、行動の改善を期待することができます。
一方、行動してから時間が経ち過ぎると、フィードバックをしても、相手は何が問題だったのかを忘れてしまい、その効果が薄れてしまいます。
また、早い段階でのフィードバックは問題解決を加速させるというメリットもあります。
つまり、適切なタイミングで、具体的にフィードバックをすることで、効果が高まります。そのため、フィードバックをする際は単に早さを重視するだけでなく、正確に伝えることも重要です。
ネガティブフィードバックの例文で理解を深める
ネガティブフィードバックをする際の内容や言葉遣いによって、相手の受け取り方が変わります。
特にネガティブな内容の場合、相手の受け止め方に配慮しながら、どのように伝えるかを考えることが大切です。
伝える際は事前に具体的な例文をふまえて、どのような言い回しや表現であれば、相手は理解しやすく、前向きに受け止めやすいかを考えることが必要です。
最初は時間がかかるかもしれませんが、何度かシミュレーションすることで、段々と効果的なフィードバックのやり方が分かってきます。
つまり、相手の状況に応じて適切な伝え方を考えることは、効果的なフィードバックを行うための第一歩といえます。
例文を紹介:ケーススタディで学ぶ実践方法
具体的なケースで考えることで、ネガティブフィードバックの伝え方の理解が深まります。
例えば、プロジェクトの進行において納期を守れなかったケースで考えると、「先日のプロジェクトで納期を守れなかった件についてですが、納期が守れなかったことで、チームに影響を与える結果となりました。今回の件を教訓にして、次回はどのように改善できるか、一緒に考えてみましょう」と伝える方法があります。
このように具体的な内容をフィードバックをする際、相手が自分の行動に対して、どのような影響を与えてしまったのかを認識できるように工夫します。
また、解決策を共に考える姿勢を示すことで、主体的に考えてもらうことも重要です。
具体的なケースを挙げながらフィードバックをすることで、相手は状況を理解し、改善のプロセスやシステムを考えやすくなります。
上司とメンバーとの関係の場合、伝えた事実にそって、相手と認識を合わせることが重要です。基本は上司とメンバーが考えていることや思っていることが違うという前提で対話をします。そして、お互いの理解が一致する段階まで、時間をかけてすり合わせていきます。
サンドイッチ型フィードバックを使った例文
サンドイッチ型フィードバックは、最初と最後にポジティブな内容を伝え、その間にネガティブな指摘を行い、相手に効果的に伝えるため一つの方法です。
例えば、「あなたのデザインに関するアイデアは素晴らしかったです。ただ、パーツの色合いについて改善が必要です。次回のプレゼンでそこを改善すれば、より多くの観客が感動するデザインに仕上げられると思います。次回も期待しています」といった文面が考えられます。
他の例でいえば、「今回のプレゼンは、資料の構成が分かりやすかったです。ただ、ビジュアル面の情報が少し弱い印象を受けました。そこで、次回その点が改善できると、より説得力が増すと思いました。次回も丁寧な準備を期待しています」という伝え方もあります。
上記のように、ポジティブな内容から始めることで相手に安心感を与えることができます。そして、次に具体的に改善点を指摘し、最後に今後への期待やポジティブな言葉を添えるという流れを作ることが効果的です。
その結果、相手は指摘やアドバイスを受け入れやすくなり、信頼関係がより強固になります。
このようなやり方を日常的な対話に取り入れることができれば、相手が行動に移しやすくなるだけでなく、職場内のチームワークが良好になります。
ネガティブフィードバックの際の注意点とよくある問題
ネガティブフィードバックは、相手に成長の機会を与えますが、適切に行わなければ、相手に悪い影響を与える可能性があります。
特に伝え方を間違えると、相手のモチベーションを低下させ、人間関係に悪影響を与えるリスクがあります。
そのため、適切なネガティブフィードバックをするためには、その目的や意図を明確に伝えることが重要です。
特に言葉選びや態度に配慮し、相手が前向きに改善点を受け止められるように伝える必要があります。そのためには、事前の準備が不可欠です。
ネガティブフィードバックは解決すべきギャップに焦点をあてることから始めます。
例えば、そのギャップは会社や上司からの期待と、メンバーの現状や志向の差から生じます。そして、そのギャップはメンバーの発言や行動など目に見える形で現れます。そのため、まずはそのギャップを顕在化して、事前に具体的な問題点を整理することから始めます。
そして、相手に寄り添い、成長を促すためのアドバイスを添えることで、フィードバックはより効果的になります。
人格否定にならないよう配慮する方法
相手はフィードバックによって、「人格が否定された」と感じると、防衛的な姿勢になりやすく、改善に向けた意欲が低下する可能性があります。
そのため、相手の性格ではなく、相手の行動や成果に焦点を当てることで、指摘を伝えやすくなります。また、具体的な事例も用いることで、相手は指摘された内容がより理解しやすくなります。
例えば、「会議の資料に不備があった」という指摘する場合、「資料のこの部分の情報が抜けていたため、結果として、会議全体の質の低下につながった」と具体例を示すことが重要です。
これにより、相手は自分の行動を振り返り、具体的な改善に取り組むことができます。
責任の押し付けを避けるコツ
フィードバックにおいては、相手に責任を押し付ける表現を避けるように伝えます。
相手に一方的に伝えることは、心身に負担をかけるだけでなく、関係性を損なう原因となる可能性があります。そのため、慎重に伝えることが必要です。
上司や指導者から改善点を伝える際には、自分にも責任があることを明確にして伝えることが効果的です。
例えば、「このプロジェクトの結果は、組織全体の取り組み方にも問題があったと考えています」といった形で伝えると、相手に安心感を与え、対話しやすくなります。
このように相手がプレッシャーではなく、前向きな気持ちを持つことができれば、共通のゴールや継続的な改善を目指すことができます。
集団の前で指摘することで生じる問題点
ネガティブフィードバックを集団の前で行うと、問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
集団の前で特定の個人を指摘すると、相手に不快感を与えたり、相手に心理的な負担がかかります。
その結果、コミュニケーションがとりづらくなり、自尊心を傷つける可能性があります。
このような状況を避けるためには、ネガティブフィードバックをする時は適切な場を選び、メンバーと1対1で話すことです。
もし、メンバーがみんなの前で指摘されると、怒りや不安を感じ、上司の言っていることが正論だったとしても、感情面で納得できない状態に陥ってしまいます。そのため、プライベートな空間で話をすることで、相手は自分の意見や問題点を整理しやすくなり、話し合いが進みやすくなります。
つまり、相手の心理面に考慮しつつ、フィードバックをすることができれば、問題解決だけでなく、信頼関係の構築にもつながります。
研修で学ぶフィードバック技術の向上
フィードバックの技術を向上させるために、研修を実施することは有効です。
研修では、ケーススタディやロールプレイを活用することで、実践的なスキルを身につけることができます。これにより、参加者は現場での具体的な状況を想定しやすくなります。
また、研修時は参加者同士の意見交換やディスカッションも重要です。研修を通じて、知識と経験を積み重ね、多様な視点を取り入れることができます。
その結果、研修参加後はより柔軟に考えることができ、メンバーに自信を持ってフィードバックをすることができます。そして、組織全体のコミュニケーションの向上にもつながります。
研修を活用した伝え方の基礎習得
研修を通じて、フィードバックのスキルを身につけることで、コミュニケーション能力が向上します。
特にフィードバックのやり方を学ぶ際には、その目的や意図を明確にすることが欠かせません。これにより、相手にとって分かりやすく、受け入れやすい形で伝えることができます。
また、伝え方の基本として、具体的かつ客観的に伝えることが効果的です。
例えば、「この部分が良くなかった」というネガティブフィードバックに関して、「この点を改善することで、質が向上すると思います」といったポジティブな言い方に変えることで、相手に不快感を与えずに目的や意図が伝わりやすくなります。
もし、研修の参加が難しい場合、amazonなどで関連書籍を購入して学習することや、オンラインでの参加を検討する方法もあります。
【おすすめ書籍】
はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 中原 淳(著)
ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術 難波 猛(著)
まとめと次のステップ
ネガティブフィードバックは、個人や組織の成長にとって重要です。
相手に具体的な指摘をすることで、行動の改善を促し、成長を支援することが可能です。
その指摘が厳しい内容であっても、相手の進む方向が明確になれば、改善への意欲を高めることができます。
その結果、組織全体の成果を高める要因にもなります。
ネガティブフィードバックで相手を成長させる
適切なネガティブフィードバックは、相手の成長を促す効果が期待できます。
相手に具体的に問題点を指摘し、その改善策を一緒に考えることで、フィードバックが単なる指摘から、行動の改善をもたらす機会へと生まれ変わります。
例えば、上司からメンバーにネガティブフィードバックをする際は、メンバーが自らを客観的にみられるように、メンバー自身に自分の状況を言語化してもらうことが有効です。上司がメンバーの問題点だけを指摘しても、問題の行動は変わりません。
そのため、上司はメンバーの行動にどのような真因があるのか問いかけていきながら、メンバーに自分の言葉で語らせることをめざしましょう。
ネガティブフィードバックによって、相手が自らの強みや弱みを客観的に理解できれば、行動の改善へつながるような学びや気づきが得られます。
さらにフィードバックの伝え方を工夫し、相手に配慮していることが伝われば、相手は自己肯定感や自信が高まります。
ポジティブフィードバックとのバランスを取る重要性
ネガティブフィードバックをする際は、ポジティブフィードバックとのバランスをとることが重要です。
バランスの観点でいえば、ワシントン大学名誉教授ジョン・ゴッドマン博士が研究した人間関係におけるポジティブ・ネガティブの適切な比率「ゴッドマン率」によると、親子の場合3:1、上司部下の場合4:1、夫婦の場合5:1、友人の場合8:1と言われています。
ネガティブな内容ばかり伝えると、相手はモチベーションが低下し、改善に向けた意欲が高まりません。
そこで、良い点と改善点を一緒に伝えることで、相手は安心感を得て、内容が受け入れやすくなり、成長に向けた意欲が高まります。
以上のようにネガティブフィードバックはポイントをおさえて実施することで、相手の成長を支援することができます。
【参考図書】
みんなのフィードバック大全 三村真宗(著)
フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術 中原 淳(著)
国際エグゼクティブコーチが教える人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック ヴィランティ牧野祝子(著)