柴田昌治 年譜・アーカイブ - 風土改革・組織開発・対話ならスコラ・コンサルト
1944

1944年2月29日神戸市生まれ
京都大学農学部卒。平安女学院で3年間の教師生活を経て、渡独。1979年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。
大学院在学中にドイツ語学院ハイデルベルクを創立、経営に携わり、業界トップ校に。NHKテレビの語学番組でドイツ語講師を務める。
テンポラリーセンター(現パソナ)で派遣サービス事業の一つを手がけたことを契機に、MBOにより独立。

1986

教育学の知見を生かせる企業人材教育の会社、テンポラリーエデュコンサルトを設立し、研修事業を中心に人材育成事業をスタート。その派生で、大企業人材のリスキリングやマネジメント勉強会のサポートなど人材育成の対象やニーズが広がる。

1986

バブル経済の最終局面で企業が抱える人・組織の問題が表面化し始めたタイミングで、日本社会の人間関係を重んじる文化特性と企業のソフト面に注目し、組織風土・体質改革を専業とするスコラ・コンサルトを設立。
社員の働きがいと業績が同時実現する会社づくりをめざして、「社員が主役のやらせない改革」を実践。経営と社員がチームとなって揺らぎながら組織を進化させていく〈プロセスデザイン〉の方法論をもとに、「プロセスデザイナー」が伴走者となってサポートする企業風土改革の手探りを始める。

1988

『何が、日産自動車を変えたのか』(PHP研究所)がベストセラーに。

1990年代初め頃から、三重県や横浜市など民間の改革手法を導入して地方分権時代の先を行く先進的な改革自治体の支援を開始。

1994

初の風土改革理論書『コアネットワーク 変革する哲学』(ダイヤモンド社)を出版。組織の見えない領域の力学と企業人の文化的規範をひも解き、それを打開する新たな変革方法のパラダイムとキー概念、プロセスデザインの方法論を紹介。

1998

1998年出版の『なぜ会社は変われないのか』(日本経済新聞社)が多くの企業人の共感を呼び、2000年に最も読まれたビジネス書になるなど大ベストセラーに。週刊誌にも社会現象として取り上げられる。

2002

2002年~2021年、産学官の垣根を超えてイノベーション人材としての全人格リーダーを養成する「特定非営利活動法人アイ・エス・エル(ISL)」で、「変革型リーダー養成プログラム」(次期経営者候補対象)のセッション講師を務める。
[主テーマ]人の力を引き出す組織風土の醸成~経営トップに求められるスポンサーシップ

2003

2003年~2004年、プロセス型コンサルティングと組織開発の新潮流との親和性から世界的なベストセラー『学習する組織 フィールドブック』シリーズ2作(ピーター・センゲ編著/日本経済新聞出版社)の監訳を担う。

2004

2004年~2022年、九州から、アジアをはじめ世界各国で活躍するビジネスリーダーを輩出する目的で設立された産学官連携の「特定非営利活動法人 九州・アジア経営塾(KAIL)」で、次世代ビジネスリーダー養成プログラムの開講セッション監修、テーマ講演、オフサイトミーティングのコーディネートを担当。

2006

トヨタグループ出身でスコラ・コンサルトの相談役になった金田秀治氏と共著で出版した『トヨタ式最強の経営』により、日本的経営のシンボルとしてトヨタに注目が集まり、トヨタ式ブームの火付け役に。

以降、『なぜ社員はやる気をなくしているのか』(2007年)、『スコラ式風土改革シリーズ』各書の監修、『考え抜く社員を増やせ!』(2009年)、『どうやって社員が会社を変えたのか(共著)』(2013年)をはじめ、最後の出版になった2022年『日本的「勤勉」のワナ』(朝日新書)まで著書多数。

2008

スコラ・コンサルト代表を退任、社員代表に経営交代し、プロセスデザイナー代表として企業支援の現場に立ち続ける。

2009

ドイツ語学院ハイデルベルク学長を退任
2009年から2017年(雑誌休刊)まで『日経情報ストラテジー』長期連載

2014

ドイツ企業のトヨタ生産方式(TPS)への関心の高まりから、ドイツ企業向けにジャパンスタディツアーを企画・共催。トヨタ生産方式やKAIZENに取り組み、同時に、その知識・手法を支え生かす「現場力」(=人づくり、チームワーク、ものづくり文化、風土づくり)の強化にも取り組む日本企業を紹介。

2015

『トヨタ式最強の経営』ドイツ語版(発行Àdept Ⅿedia)を現地で出版。

2016

2016年~2019年、相次ぐ企業不祥事が社会問題になり、その原因として真っ先に指摘される企業風土の問題に対し、長期停滞の足踏みをする日本企業の「思考停止状態」と、その根元で「混乱回避のための枠」として機能している日本特有の組織文化に的を絞り、弊害のメカニズムの究明を続ける。

2020

2020年~2022年、長年の風土改革支援を通じて、哲学と科学の観点から問い続けてきた日本企業が抱える組織風土問題に対し、その病因を、序列意識が支配する組織が持つ「調整文化」と特定。マネジメントにも及ぶ「日本的な組織のあり方」としての調整文化が水面下で機能し続けることで、日本企業の新陳代謝を阻んでいる、と結論づける。

※収録書籍:『なぜ、それでも会社は変われないのか』(2020年/日本経済新聞出版社)、『日本的「勤勉」のワナ』(2022年/朝日新書)

2024

2024年12月31日 逝去(享年80歳)

■出版物:26作(共著含む)
■メディア掲載記事:2024年までの24年間で500本を超え、雑誌・新聞・PR誌・社内報への寄稿、インタビュー記事多数
■講演:企業・公共機関・自治体・一般向けの講演多数

 

柴田 昌治

【柴田昌治アーカイブ】

[実録]青年柴田の学級改革(1974年)
[回顧録]スコラ式風土改革はどこからやって来たのか柴田昌治が語る~「スコラ・コンサルトの生い立ちと成長」(2006年/SBS)
[コラム]日本企業がふたたび輝くために「はずすべき枠」は何か(前後編)~スコラ式のルーツにある視点と組織風土改革の焦点
[note]https://note.com/masaharu_shibata