システム思考は、人間の営みをはじめ、あらゆる事物・事象を相互に関連し合った「システム」として捉える見方です。組織学習の第一人者であるP・センゲはそのシステム的な見方を「単独、単体、部分ではなく相互関係を、静止的な“断片”ではなく全体的な変化のパターンを捉えるための枠組み」だと言っています。

私たちの周りで起こっているさまざまな事象は、いろいろな要素やシステムが ”原因でもあり結果でもある“というように相互に複雑に関わり合っているために、単純で断片的な原因・結果という線的なつながりだけでは捉えることができなくなっています。

システム思考は、この複雑なシステムの根底にある構造と変化のパターンを捉えることによって、構造のどこに働きかければ決定的であり、しかも持続的な変化につながることができるかを把握し、人々が無力に反応するしかない状態から、積極的な変革者、未来の創造者になることを可能にする思考アプローチです。

【参考文献】
『フィールドブック学習する組織「5つの能力」』P・センゲ他著 日本経済新聞社