個人の能力を最大限に活かした活力ある組織作りを目的とした「企業文化変革活動※」に取り組むトヨタファイナンス株式会社は、 スコラ・コンサルトの風土改革を、経営メンバーのオフサイトをきっかけに2010年よりスタートしました。

今回の活動事例は2010年6月に実施した債権管理標準化プロジェクト。その成果が、2013年のGlobal KAIZEN Award(※)で高い評価を受け、みごと優勝という結果を残しました。

(※)企業文化変革活動

会社の持続的成長に向けて、1)社員の意識・働き方を変える 2)1を支える職場風土・マネジメント意識・行動を変える 活動。トヨタファイナンス株式会社の人材マネジメント方針である「人を大切にする」を基本方針とし、3つの柱「フェアネスを貫く、多様性を認め合う、人を育てる」ことで、多様な人材がそれぞれの能力を発揮して、いきいきと働く企業をつくることを狙っている。

(※)Global KAIZEN award

トヨタファイナンシャルサービスのグループ全体の「KAIZEN活動」による成果に対して与える賞。優勝するには約140グループが参加する予選、社内大会、TFS国内大会、そして、ヨーロッパ/アフリカ代表、アジア/パシフィック代表、アメリカ代表、日本代表の計4チームの世界大会を勝ち抜く必要がある。

(※)業務推進室

トヨタファイナンス株式会社の国内7カ所の拠点(北海道グループ(以下グループ)、東北、関東 中部、近畿、中国四国、九州で、顧客の管理と回収業務をしている。

減らしたはずが、増えていた帳票。─ KAIZENへのチャレンジ ─

─ 2013年 Global KAIZEN Award 優勝という成果を残した債権管理標準化プロジェクトについて教えてください

柴崎 このプロジェクトは当社の新中期経営計画に基づき、2010年6月、会社が抱えるリスクを「見える化」するために発足されました。

当社には全国に支社が7つあります。それぞれ各支社の管轄下で運営していたため、管理業務にバラツキが生まれ、会社全体のリスクが見えにくい状態でした。

今回、ご紹介するのは全体プロジェクトのひとつである帳票の標準化です。同一業務をおこなっていても使用する帳票が異なっており課題が生じておりました

 

─ どのような点がGlobal KAIZEN Awardで評価されたのでしょうか?

柴崎 2010年6月にスタートした帳票の統一プロジェクトでは238枚に統一されました。

しかし、統一した帳票を定着化させるフェーズで、統一された以外の帳票を数多く使用していることが判明しました。統一された帳票が、現場での使用に耐え得るものではなかったため、各拠点が従来から使用していた帳票を継続使用していたのです。

2012年1月にあらためて統一するプロジェクトがスタートしました。各拠点から新たなメンバーを選出し、精査したところ、帳票の総数は1,044枚にまで増えていたのです。これを2012年6月から半年かけて、実際に使用できる内容で統一し、ローカル帳票を22枚にまで減らしました。

2013年のGlobal KAIZEN Awardで評価されたのは、この成果とそこに至るプロセスです。