当事者意識を醸成するオフサイトミーティング

名鉄EIエンジニア(旧 メイエレック)では、GRIP15による社員アンケートのフィードバックや、ビジョンや行動宣言の作成の際にオフサイトミーティングを活用した。

オフサイトミーティングは思いや経歴など自分のことを話すジブンガタリや仕事に関するモヤモヤを話すモヤモヤガタリが中心となる。その概要はスコラ・コンサルトから聞いていたものの、名鉄EIエンジニア(旧 メイエレック)の社員は体験がなかったため、まず篠田さんが「練習がてらに」営業部で主催してみた。「テーマは自社の強み・弱み、足らないところ・良いところを洗い出すと私が勝手に決めました。1人で10分以上話す社員もいましたが、みんな営業職なので聞く姿勢や課題の抽出はふだんからできていることもあってスムーズでした。以来、オフサイトミーティングを開きたい人が自由に開催するようになり、業務の中に浸透しています」(篠田さん)。

井上さんもGRIP15のサブメンバーとして各部署でオフサイトミーティングを開催。「アンケートのフィードバックでは、上司がいない場にしたこともあって、みなさん言いたいことを言えたようです。毎回お菓子を用意しているので、最初は“飴がもらえる会ね”など言われていましたが、回数を重ねるごとに意義が浸透し、開催や参加の敷居が低くなりました」(井上さん)。

清水社長によると、スコラ・コンサルトはGRIP15サブメンバーの発足やオフサイトミーティングを提案し、GRIP15や経営層の勉強会の「問い」やワークシートなどは準備したが、「勉強会でも特に答えを出さない」のだという。そして、勉強会の終わりにはスコラ・コンサルトから課題の見える化やオフサイトミーティングの開催といった宿題が出された。「我が社の社員は与えられたことは一生懸命やるので、必死に宿題をやってくる。こうした中から当事者意識が育ちました。いわゆる“コンサル目線の正解”を鵜呑みにして失敗するケースはよく聞きますが、スコラさんの関わり方は当社には非常にフィットしています」(清水社長)。

 

会社の近未来を担う課長にもコミットを促す「課長塾」

名鉄EIエンジニア(旧 メイエレック)では、現在、技術や資格を持つ社員が高齢化する一方で、30代の社員が少なく、将来の会社の進展や人材育成を考えると課長のマネジメント力が鍵になると判断している。「課長職にはマネジメント、コミュニケーション、モチベーションの向上を学んでもらい、自身が部下のロールモデルになってほしい」と清水社長は期待する。そこで、この4月から始めたのが課長塾だ。

課長塾では40人ほどの課長全員を8チームに分け、各自が持ち寄った20の課題から共通するいくつかを選んで解決策を立てていく。2週間に1回、全5回を実施。7つの課題の一つである「経営の信頼」を踏まえて経営者の姿勢を示すべく、清水社長自らも毎回登壇した。

「だが、2回目を終えたところで、議論が、“こんな組織や制度が必要だから、会社が創ってくれるのを待つ”といった他人まかせの結論で終わってしまっているのに違和感を覚えた。だから初めには想定していなかったチームごとのヒアリングを経て“駄目出しをもらって再考する”というプロセスを入れました」と清水社長。計画どおりにいかず、現場での工夫が必要になるとき、“その壁を乗り越える自分たちの方策まで考える”のが、課長塾のミッションだ。

「課長塾自体は先日終わりましたが、この後はPDCAを回すべく、少なくとも今年いっぱい月1回は進捗状況を報告し合い、自分がどう行動したか、それによって何が起こり、これからどうするのかを聞いていく実践課長塾を継続します」(清水社長)。GRIP15の活動と経営戦略の実行をリンクさせる要が課長だとも清水社長は考えている。「課長の創発が経営戦略にもいいフィードバックになり、何らかの成功事例が出て来ることを期待しています」(同)。

一方で、2016年10月からは未来戦略研究会も動き出した。清水社長は「今日の飯の種ではなく、明日の飯のことを考えます」と課長塾との狙いの違いを説明する。部長、課長、係長から4名と役員を入れて1チーム6名での討議や調査を通し、次の経営層を育てている。

7つの課題にある「個人の能力向上」を目指して、当事者意識の醸成や継続を支える研修や勉強会はこれからも続いていく。