『会社を変える「日本式」最強の法則』出版に寄せて

本書の前身となったもの

8年ほど前のことです。私はそれまで必ずしも明確な論理的背景なしに実践してきていたことを、一度ひとつのまとまった考え方として整理する必要性を強く感じました。およそ4年かかって何とかまとめ上げたのが、1994年に出版した『コアネットワーク 変革する哲学』です。
この本は、ある意味ではその後の『なぜ会社は変われないのか』などの本の前提をつくった、という言い方がふさわしいと思います。プロセスデザインという方法の根底に流れる考え方を私なりに整理し、まとめ上げているからです。

ただ、これほど重要な位置づけで時間も十分かけて書いた本であるにもかかわらず、この本はあまり売れませんでした。その理由のかなり大きな部分は、本を出すときの体制が整っていなかったことにあると思います。ネーミングひとつをとってみても私の思い入れが強すぎて、必ずしも読む側の視点に立っているとは言えませんでした。
“精魂を込めて書いた本”ではありましたが、市場からの評価はいただけなかったのです。

満を持して世に問う、日本式経営改革の書

この9月末に出版する『会社を変える「日本式」最強の法則』は、『コアネットワーク 変革する哲学』を全面的に書き改めて(大半を新たに書き直しました)、出版の体制も整え、満を持して世に問おうというものです。この本には、この8年間、私たちが日々実践してきたことが新しい中身としてかなり反映されていると思います。
日本式の経営改革の書として、皆様に長く読んでいただけることを心から願っています。