今の日本はかつてない変わり目にある

最近の日本は「変化」とか「変革」といった言葉が世相を反映するひとつのキーワードになってきています。ですから、どこを見ても「変革」という文字のオンパレードです。保守的な考え方の人々も含めて生活実感さえ持っている人であるなら、ほとんどの人が「今のままでいい」と考えてはいないという意味では、今の日本はかつてない変わり目にあるといっても過言ではないと思います。

「変革」なるものの実態

問題は、その「変革」なるものの実態です。
旗ばかりが立派に立てられてはいても、その多くが、単なるスローガンにとどまっていたり制度やしくみ等をいじるだけだったり、といった形の上だけのものになっています。つまり、魂が入っていないのです。
社会保険庁の改革も、たぶんそういうことに終わるでしょう。日本道路公団のそれも大差はないと思います。
仏は作るけれど、いっこうに魂が入らないのはなぜでしょうか。

「経営品質賞」というのがあります。最近、取り組んでいる企業や自治体がずいぶん多くなりました。お客様を起点にした観点から経営品質を見直そう、というその考え方に説得力があるからです。ただし、いくら考え方が立派であるとしても、賞をとるために形だけを整えることを目的としてしまうなら本末転倒です。形を整えたら自然に魂が入ってくるものではないからです。魂を入れるには、それなりの努力が必要です。
魂が入っているかどうかを見極める指標のひとつは、お客様と向き合う現場第一線の人々に経営品質たるものの意味が本当に腹に落ちているのかどうかです。ある種の使命感のようなものを第一線で苦労している人々が感じられるような状況になっていれば、かなり本物だと思います。
昨年は、経営品質の向上をめざす会社をサポートする機会がいくつもありました。私たち自身が特に経営品質賞の専門家であるわけではないのですが、私たちのサポートの中身が経営品質の取り組みとかなり相性がいいからのようです。

今年の抱負

私たちのサポートということで昨年一番驚かされたのは、比較的親しくお付き合いさせていただいていて、私たちのこともよく理解してくださっているはずの方であっても、私たちのコンサルテーションの具体的な中身に関しては意外にご存じない、ということでした。単にオフサイトミーティングのコーディネートをしているだけの会社だと思われていたり、講演をやっているだけだと思われていたり、まったくと言っていいほど私たちの仕事に関するイメージをお持ちでない方がいらっしゃるのです。

今年は私たちの仕事の中身をもっと多くの方に知ってもらう努力を積極的にするつもりです。そのためには、現在実際に進行中のコンサルティングの生々しい情報を、クローズドな(テンポラリーで会員制の)場でお互いに交換し合える、というしくみも必要かと考えています。公開可能な情報と公開すべきでない情報の峻別さえしっかりできていれば、こういったことも可能です。

いずれにせよ、近年ずいぶん変化している私たちのサポートの実際の中身を皆様に知っていただくことが、今年の課題のひとつだと考えているのです。