今どきの「若手社員」を解くカギと後押しのアプローチ(前編) 上司と部下の間にある「遠慮の谷」に気づく|コラム|スコラ・コンサルト
今どきの「若手社員」を解くカギと後押しのアプローチ(前編) 上司と部下の間にある「遠慮の谷」に気づく

今どきの「若手社員」を解くカギと後押しのアプローチ(前編) 上司と部下の間にある「遠慮の谷」に気づく

炭元 宗一郎 | 2022.02.23

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今どきの「若手社員」を解くカギと後押しのアプローチ(前編) 上司と部下の間にある「遠慮の谷」に気づく

「いかに若手が主体的になれる場をつくるかについて考えてみたい」
「何か新しいことにチャレンジする際、周囲をポジティブに巻き込んでいく方法を知りたい」
「すでに若手が集う組織を立ち上げ、勉強会などを開催しているが、活動をさらに一歩進めるための糸口を探りたい」

…じつはこれ、20代の若手社員の発言です。

コロナ禍に企画した「若手発の組織変革セミナー」には、多種多様なメンバーが参加してくれました。業種はメーカー、サービス、商社、IT、自治体など。部門も工場、営業、経営企画、人事、事業部、技術部…と多様です。規模の大小や業種、部署に関わらず、未来に向けて組織を良くしたいという前向きな若手はいます。むしろ意外なほど多いことに驚きました。

「うちにそんな若手はいない」と思う人もいるでしょう。たしかに表面上はそうかもしれません。しかし、多くの場合、彼・彼女らの前向きなエネルギーは、機会や環境に恵まれないまま埋もれてしまっているのも事実です。会社にとって、これほどもったいないことはありません。
身近な上司がしっかりと見守り、一人ひとりの強みや貢献ポイントを一緒に見出していくことで、はじめて若手も自信をつけて一歩踏み出すことができるのです。

前編では、「最近の若者」世代の特徴と、その前向きな力を引き出すために上司・部下で乗り越えるべき「遠慮の谷」について考えていきます。


「最近の若者」を解くカギは? 

一般的に「若手」といえば、ミレニアル世代(ITリテラシーの高い、1980年~1995年に生まれた世代)やZ世代(デジタルネイティブと言われる、1996年以降に生まれた世代)ということになるのでしょう。かくいう私も現在30歳。自覚としては中堅社員ですが、それでもまだ「若手」と呼ばれることのほうが多いように思います。これは笑い話ですが、先のセミナーでは、20代後半の人が「最近入ってきた若い社員は何を考えているのかよくわからない」と言っていました。

単に「若手」と一括りにすることには、あまり意味がなさそうです。しかし、世代なりの特徴はあります。

私は、「貢献感」と「不安」が今の若者を象徴するキーワードではないかと考えています。

① 貢献欲求、貢献感の重視(価値観)

30歳前後の世代にとっては、大学時代に経験した2011年の東日本大震災のインパクトが大きかったように思います。私の周りでも多くの友人がボランティア活動に参加しました。一人ひとりが「被災地のために自分ができること」を真剣に考えて行動に移し、身をもって人が助け合うことの尊さを学んだのです。

その経験から、人や社会の役に立ちたいという純粋な気持ち、「社会貢献」の価値観をもって会社を選び、社会人になっています。

2010年代の半ば以降はSDGsの思想が世界的なムーブメントになり、貢献のスケールも地球や社会に広がっています。
私が企業の人たちと一緒に「会社のありたい姿」を考える時も、若いメンバーほど社会貢献の意識は強く、「もっと生活者や社会に役立つ会社にしたい」という声をよく聞きます。ある20代の女性社員などは「(会社から働き方など配慮してもらっていると感じるが)多少きつくてもいいから、もっとやりがいのある仕事をしたい」とまで言うのです。

② 不安(安心感の欠如)

このコロナ禍で特に無視できなくなっているのが、若手の抱える「不安」です。

仕事の標準を身につけるべき時期に、テレワークで満足にOJTができない、うまく周りに助けを求められないで「自分はこのままで大丈夫だろうか」という不安。少し仕事に慣れてはいても「成長していないことが不安だ」という焦り。また、人口減少時代で「後輩が入ってこないので、入社以来ずっと同じ仕事をしている、いつまでこの状態が続くのか」、この環境で自律的なキャリア形成を求められるのか…といった先行き不安が、社会人1年生の時からつきまとっているのが世代の特徴です。

せっかく若い社員が「役に立ちたい」思いや夢を抱いて会社に入っても、さまざまな不安が立ちはだかって、その力を発揮したり伸ばしたりできないでいる、という状況が目に浮かびます。では上司は、若手の「不安」をどう解消して安心に変え、前向きな「貢献意欲」に応えていけばいいのでしょうか。


「忙しい上司」が理解しておきたい「遠慮の谷」

まず上司に知ってほしいのは、ある種の「遠慮」が若手を消極的に見せている、という点です。

冒頭で紹介した若手メンバー向けのセミナーで、職場での悩みや困りごとなどを出し合ってみたところ、特に多かったのが〈自分のやりたいことを進める上で、どのようにして上司の理解を得るか〉ということでした。

「自分のように経験の少ない人間が問題提起をしてもいいのだろうか」
「上司が忙しそうなので、声をかけづらい。ゆっくりと相談できる時間がない」
「取り組みは応援してくれるが、具体的なサポートをしてもらえない」

こうした悩みの声には、不平不満というよりも、上司に対する「遠慮」のようなものを感じます。
最近ではミドルマネジャーにさまざまな指示・命令が降りかかり、マネジメントとしてもプレイヤーとしても、多くのタスクを抱えながら仕事をしている、という話は至るところで耳にします。
忙しくしている上司に対して、手を煩わせるようなことは言い出しにくい。若手メンバーからみて、上司というのは「忙しい人」の象徴なのです。

逆に、上司側から聞くのは、「最近の若手は仕事よりもプライベートを大事にしている」「こちらはウェルカムなのに、相談をしてくれない」「個別に飲みに誘っても来ない(誘いづらい)」といった声です。どう接すればいいのかわからない、絡みづらさからくる苦手意識です。

自分から接近してこないからと言って、若手社員が会社や職場に距離を置いているわけではありません。むしろ、自分の属するコミュニティは良いものでありたい、会社や顧客のために役立ちたい、という意識は人一倍強いように感じます。

こうした双方の話を聞いていると、お互いのことを気にしながら様子見をすることで上司と部下の間に生じている「遠慮の谷」が見えてきます。
お互いに遠慮し合って、相互理解が進んでいない、助け合いに必要な歩み寄りができていない。もったいない状況が生まれていることに気づいていないのです。

では、上司のほうから「遠慮の谷」に橋を架けるにはどうすればいいのでしょうか。

(後編に続く)

著者プロフィール

炭元 宗一郎

炭元 宗一郎

SOICHIRO SUMIMOTO

当事者として会社変革に挑戦した経験と若さを活かし、「社員が自ら手で会社をかえる」ための支援に日々奔走している。

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