まず「今の状態から何に向かって変えるのか」という大目的を設定する

改革のプロセスデザインでは、まず「今の状態から何に向かって変えるのか」という大目的を設定する。それに沿って、マイルストーンとしての中目的、小目的などを設定することが重要になってくる。

たとえばA社の主力事業部の大目的は「技術力強化」であり、コアメンバーの議論によって設定した中目的は「事業部長や部課長同士の情報の流れを良くし、事業部の仕事のしかたを変える」である。そして、小目的は「設計部の本質的な問題解決をしながら、受注から出荷までのリードタイム短縮を行なう」であった。そのブレークダウンされた小目的に対する処方が「トップと現場の情報ギャップを埋める」や「部課長同士の信頼関係づくり」であり、そのために「オフサイトミーティング」や「気楽にまじめな話し合い」といった場を展開していく。

気をつけなければいけない落とし穴

「オフサイト」先にありきで企業風土改革を展開していったために、オフサイト自体を継続することや、参加人数を減らさないようにすること自体が目的化し、業務と企業風土改革がどんどん分離していくというケースだ。

改革を進める上で、「何のための風土改革なのか」という目的をはっきりさせてスタートすることが重要である。