「公務員の組織風土改革世話人交流会」に起こってきた変化

「今日は、年の初めに自分自身のネジを巻き直すためにやって来ました」
「つい先日車を車検に出しましたが、今日は2年ぶりに自分を車検に出すつもりで参加しています」

1月16日に行なった「公務員の組織風土改革世話人交流会」の冒頭で、参加者が一人ひとことずつ参加の動機や今の気持ちを紹介し合ったときに発せられた言葉です。「公務員としてよりよい仕事をしていくために、互いの思いを共有し、励まし合い、元気を得て、自ら次の行動に結びつけていく」という目的どおりの場がようやく実現できるようになってきました。

この目的を掲げたのは、今から約10年ほど前。会の参加者が増え、私一人で運営することに困ったとき、手を挙げてくれた職員の有志と一緒に「運営チーム」を結成したときのことでした。
運営にあたっては、「ジブンを語り」「思いを共有する」参加者の主体性を大切にしたオフサイトミーティングの基本姿勢に基づいて対話していますが、公務員の人たちにとっては、この基本姿勢がけっこうむずかしいようでした。

なぜなら、公務の仕事では、その多くが法律や制度に基づいて既定され、また、この基盤がすべての自治体に共通しているため、地域を越えて集まる交流の場があったとしても、そのほとんどが、有識者の講演や先進的に取り組む事例情報を聞いて、「知る」「教わる」「勉強する」場になっているからです。

自らの意志をもって考え、行動し続けていく必要性

しかし、これから「個性を活かし自立した地方をつくる」地方分権改革と地方創生を進めていくうえでは、今までのような「前例踏襲」「横並び」する体質を変えていくことが求められます。
なぜなら、“地方の個性”を引き出し、活かしていくためには、まずは行政組織の職員が自らの思いを持ち、めざすものを明らかにして主体的に行動するという“職員の個性”を尊重する姿勢を持って仕事を進めていく必要があるからです。

冒頭のように、この世話人交流会で「自分自身のネジを巻き直そう」ということは、参加者が自らの意志をもって考え、行動し続けていくことが身に付いてきたことの表れといえるでしょう。

★今回から3回にわたってお届けする「人づくりの現場から学んだこと 〜京都府立林業大学校運営からの気づき」は、そんな交流会の参加予定者が、交流会に参加できなかった代わりに、自ら取り組んだチャレンジの体験記を寄せてくれましたので、ご紹介させていただきます。
現場の実践にかける思いと実践から学び取られたやりがいをぜひご一読くださいね。