◎参加者の声4(嶋岡徹さん)
TOPPANエッジ株式会社 事業推進統括本部の嶋岡徹さんは、2024年10月の第100回に参加した。IoT開発部でRFID(無線周波数識別)タグを担当する技術者だ。嶋岡さんは、事前課題の記入から困難さを感じた。
「正直、難しかったです。まず『そもそもコンピタンスとは何か』というところからはじまり、TOPPANグループで当社はどういう位置づけなのか、そもそもホールディングスは何をやってるんだ、と調べはじめたら大変でした。自分が理解しないと研修で落ちこぼれると思ったんです。提供価値、コンピタンスの視点で自分の担当業務を捉え直すのは大変でした」
研修の1日目に参加すると、グループ内の各社から多種多様な分野で働く社員が集まっていた。営業、総務、経理……と職種の違いもあれば、同じ技術者でもメタバース分野であれば、業務内容が自分とはまるで違う。
「多種多様な仕事があるTOPPANグループのなかではごく一部でしょうけど、自分が知らない分野の話は刺激的でした。同じ提供価値、コンピタンスの視点で話しているのに、深掘りしていく人もいれば、広げていく人もいる。業界や業種の違いでカラーがあることもわかって貴重な体験でした」
2日目に嶋岡さんのチームが提案したのは「Body Mind Navigator」という身体に貼るデバイス。肩や首に貼り、脈拍や血圧のデータを取得して、スマホに送信して生活習慣の改善などに役立てる。20代の働く男女をターゲットにした商品で、ワークライフバランスの改善なども期待できる。
チーム内で提案された8個のアイデアから選ばれたもので、ふだんは事業戦略など担当するメンバーからの提案だった。
「私はやはり技術的な部分が気になりましたが、できるかな? と初めからネガティブに反応しても意味がないので、これならできるかな、どうすれば実現するかなと考えました。身体の状況を可視化するというアイデアは、TOPPANグループで以前からあったので、うまく技術を組み合わせれば実現可能だと思いました」
グループ内のリソースを組み合わせて新しい提供価値を生むことは「未来創発プログラム」の狙いでもある。アップルウォッチなど生体情報を取得するデバイスはすでに販売されている、という意見には、大きな市場があるという証だとポジティブに捉えた。
「ファシリテーターがいて、自由に発言できる雰囲気は話しやすかったです。沈黙が生じても、巧みに発言へと導いてくれる。すごく安心して議論できた点で、本当の心理的安全性を実感できたと思います」
嶋岡さんは研修後もチームメンバーと連絡を取り合い、お互いの仕事に役立つアイデアを話し合う場を設けている。研修後に業務でつながりが生まれることは「未来創発プログラム」がめざす成果の1つだといえる。
■当日の研修資料
TOPPANグループ 未来創発プログラム 人事部編はこちら