冒頭で、「あなたは仕事でクリエイティビティを発揮できていますか?」と投げかけたところ、「はい」と手を挙げたのは80名中わずか3人!残りの全員、全体の96%が「いいえ」と答えました。エンジニアとして「自分の技術がどう社会に役立つのか」と、少なからず考えているはずの彼らが仕事に創造性を感じていないというのは残念でなりません。

エンジニアに必要な機会

今回の大交流会で若いエンジニアたちは何を感じたのでしょうか?

品質管理の女性は、異業種の先輩エンジニアから「品質を見ることができるというのはスゴイことなんだよ」と言われて、モヤモヤしていた気持ちが少し晴れた、と話してくれました。上司からは今まで一度もそんなことを言われたことはなかったけど「違う会社の人から話を聞く機会が貴重。自分のことがより見えるようになった」と。

設計担当のエンジニアは「何かしたら、そのフィードバックがもらえるとすごくうれしい、頑張れる」と語ります。「褒めてほしい」という心情的なことではなく、トライしたことに対して、フィードバックをもらって、さらによくするためのアイデアや工夫につなげたいと。

日頃なかなか出会わない刺激とプラスのフィードバックに触れた参加者たちは、楽しそうに目をキラキラさせています。ああ、エンジニアにはこういう機会が必要なんだなと現場で肌に感じるものがありました。

大交流会でやってみたことと参加者の反応

今回の試みは、まさに「実験場」です。

このために3カ月前から、当事者である若手エンジニア十数名の世話人とともに試行錯誤しながら準備してきました。彼らが描いたビジョンは「自分の技術を活かして、みんなで未来の社会をもっと面白くする。自分ももっと面白くなる」イマドキのエンジニアの求める価値がここにあります。

 

私たちが交流会でやってみたことは以下の3つです。

(1)日常と異なる「いいもの」に触れるために先輩エンジニアからフラットに話を聞く(刺激がある)

(2)これまでの仕事の経験から、自分がワクワクする価値は何かを明らかにする(自ら考える)

(3)将来やってみたい「Myテーマ」を、枠を外して自ら発信する(未来を語る)

アンケートでは「日ごろ触れない刺激に触れた」「発見があった」人が回答者の7割。ワクワクする未来を考え、発信できたのが面白かったと。“自分の仕事を面白くするのは自分だ”という新たなルールのもと、新鮮な目や耳を持ち、前提を疑う力に気づいた若手エンジニアは、あの場で確かにクリエイティビティを発揮できていた、と感じています。

これからも、仕事で価値を生み出す創造性やエネルギーを自分の中に発見できる場所として、エンジニアLinkを参加者とともに進化させていきたいと考えています。