まず「自分起点」で将来について思いをはせ、自分の望むことや「こうしたい」という思いと向き合い、価値観を自覚する。そして、それが全体に対して独りよがりになっていないかどうか「他者起点」で問い直してみる。
この、「問い」に基づいて「自分のミッション」を導き出していく実際のプロセスは、かなりオープンでダイナミックなものです。
これらの問いを考える上では、自分を「一人」ではなく「他者との関わり」でとらえていきます。それを前提に、自分と関わりのある上司や業務チームのメンバー、問いに関係する他部署や、顧客や社会の目となる人など、他者と徹底的に話し合いながら思考を広げていく進め方が重要なポイントです。
座して一人で考えるのではなく、他者との関係を「開いた」状態にすることで、自分の常識や固定観念は覆されたり塗り替わったりします。いろんな見方が出てくると、何が正しいのかわからなくなることもあるでしょう。そんな想定できない揺れをもたらす「相互作用」の中で、自問自答しながら考えていくのです。
実際に、このプロセスを一人ひとりが進めていくとき、他者のいろんな意見や情報が交錯する中で“自分らしい答え”にたどり着くためには、それを支えてくれる背骨のような自分なりの見方や考え方が必要になります。「自分軸」を導き出していく過程には、その必要性に直面する機会も含まれています。