組織とは?

協働のシステムとしての組織

「近代組織論の父」とも呼ばれるチェスター・バーナードは、組織を「協働のシステム」と捉え、「二人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力のシステムである」と定義しています。そして、組織が成立する要素として、「共通目的」 「貢献意欲」「コミュニケーション」の3つを挙げています。

組織は、個人一人だけではできないことを協働で実現するためのシステムです。そのため、「個人の力」をその総和を超える「組織の力」に変えていく様々な機能が本来備わっています。いわゆる「1+1を2より大きくする」ということです。

個人がそれぞれ持っている知識や知恵、技術や技能を出し合うように貢献を促し、コミュニケーションを通じてそれらをつなぎ合わせ、共通の目的に向けてそれらを統合、結集して協働によって個人の総和を超えるアウトプットを出していく。これが、組織が本来持っている機能です。

コミュニティとしての組織

また、組織は人々が集い、多くの時間をともに過ごす「コミュニティ」としての一面も持っています。

したがって、メンバー相互のコミュニケーションが豊かで、信頼に基づいた人間関係や心理的な安全性がある組織は、メンバーの仲間意識やエンゲージメント、貢献意欲や働きがいを高めます。

私たちは組織を無機質的な機械やシステムとしてではなく、生身の人間が形成するコミュニティ、あるいはエコシステム(生態系)として捉え、人の感情や意欲といった心理的側面にも配慮した組織づくりをしていきます。

組織のシステム構造

組織の基本的な動作・ふるまいに影響を与える組織文化から変える

組織を氷山にたとえると、水面から上は、目に見えやすく、改革の手がつけやすい部分です。一方、水面下にあるのは、とらえどころがなく手をつけにくい部分で、「組織風土・文化」などと呼ばれています。

水面下の部分には、チームワークのとり方や暗黙のルール、習慣化された仕事の作法、共有されている価値観、個人や組織全体の思い・意志などが含まれ、目に見えにくいところで広い範囲にわたって組織の人々の判断・行動に影響を与えています。

組織原理として 「基本的な動作・ふるまい」 を規定しているこの部分は「組織OS」(組織の基本ソフト)とも言えるものであり、組織全体のパフォーマンスに大きく影響を及ぼすものとして、近年注目を集めています。