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「はたらかない組織」の働き方改革

2017年04月28日

 

今、日本では「働き方改革」の大号令のもと、「労働生産性の向上」が大きなテーマになっています。
労働人口が減っていく日本の将来を考えれば待ったなしの課題であることは明らかですが、そう言われながら、すでに半世紀近くにわたって、日本の労働生産性は主要先進10カ国の中で最低レベルの状況が続いています。

働く量を今までよりも減らしたうえで、今までと同等ないしそれ以上の成果を生み出していくためには、個々の働き方が根本的に変わっていかなければなりません。そこで大事なのは、個々人が効率的に働くという以上に、「組織のはたらき方」を変えるという視点です。

 

これまで多くの企業で行なわれてきた生産性向上の取組みの多くは、個人のスキルアップや業務効率化が中心でした。これは、組織全体の仕事の成果を個人レベルでとらえ、部分を効率化することで組織全体の生産性を上げようという考え方によるものです

この取組みが一定の成果を上げてきたことは間違いありません。でも、それだけで今後もこれまで以上の大きな成果を上げようというのは難しそうです。

なぜなら、個人レベルの仕事の効率化には限界があり、その総和以上に組織全体の生産性が飛躍的に高まるとは考えにくいからです。

 

では、その限界を超えて組織が生産性を高めていくカギになるものは何でしょうか。それは、組織のはたらき方を変える「チーム力の向上」にあると考えます。

チーム力が最大に発揮された例としてすぐに思い浮かぶのは、昨年のリオ五輪で銀メダルをとった陸上男子400mリレーの日本チームではないでしょうか。ジャマイカやアメリカなどの強豪に対して個人の走力では明らかに劣っていた日本があのような偉業を成し遂げたことについて、ウサイン・ボルトは「チーム力の勝利だ」と称賛しています。

組織というのは、メンバー同士の相乗効果によって個人の力の総和を超える大きな成果を生み出しうる力を潜在的に持っています。

これが「チーム力」です。この力をしっかりと引き出し、発揮度を高めていくのです。

 

「はたらく」のカギは信頼関係


チーム力の発揮によって大きな成果を生んだ事例は、実は企業の中にも数多くあるはずです。
これまで私たちはそういう事例をいくつも見てきましたが、そういうチームに共通しているのは、「メンバー同士が信頼感で結びついている」ということです。

ここでいう信頼感とは、個人的な親しい人間関係とは違います。「組織のめざすものと、大切なこと(価値観)を共有している仲間である」という信頼感です。

こういうメンバー間では、めざすものを実現するためには互いの存在が不可欠だと思っているため、意見をぶつけ合う、一緒に考え知恵を出す、協力する(補完し合う)、というようなことが当たり前に行なわれます。これが相乗作用です。

これに対して、メンバー同士の信頼感がない組織は、めざすものや価値観の共有がないため、「自分の仕事以外は無関心」「自分の考えに固執し、周囲に相談しない」「事実・実態の情報が不足し、憶測で物事が進む」「お互いに協力するイメージが持てない」といった状態に陥ります。

 

個人レベルでのこのような状態が、実は膨大な組織の非効率を生み出しています。

こういう「はたらかない組織」の下でどんなに個人レベルの効率化に取り組んだところで、全体の生産性を高めることはできないでしょう。

働きがい、働きやすさ、仕事の仕方のイノベーションが同時に求められる働き方改革。その生産性向上の取組みにおいては、今までの常識を見直し、「チーム力を最大に発揮しうる働き方」にシフトしていくことが大事です。

その糸口になるという意味で、個人の力の総和を超えるチーム力を生み出す「メンバー間の信頼感」をまず醸成することが、働き方改革再スタートの第一歩だと思うのです。

山科 雅弘

山科 雅弘(やましな まさひろ)

営業・マーケティング部門の支援を得意とし、「自ら考え、行動しよう」という現場の主体的なエネルギーを、経営的な課題解決に生かすための支援に力を注いでいる。

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