オフサイトミーティングの場づくりで身に付く力(1)|コラム|スコラ・コンサルト
オフサイトミーティングの場づくりで身に付く力(1)

オフサイトミーティングの場づくりで身に付く力(1)

元吉 由紀子 | 2021.12.03

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オフサイトミーティングの場づくりで身に付く力(1)

昨年夏に『オフサイトミーティング』の本を弊社対話普及チームが出版したのを機に、この場づくりにチャレンジしようという職員を公募して、2021年度は「公務員のオフサイトミーティング場づくり実践セミナー」を試行しています。その中で、各職場でトライして、手応えを感じ始める職員が現れて来ました!とてもうれしいことです。

そこで、今回は、この場づくりを通じて身に付く能力・スキルについてお伝えします。なお、能力の着眼点については、2016年度から全国の自治体に人事評価制度の導入が義務付けられ、自治体ごとに異なる人材像や指標が設定されています。そこで、ここでは経済産業省が提唱している社会人基礎力の12の能力要素をもとに、特に場を立ち上げる初期に重要となる2つ「主体性」と「課題発見力」を取り上げて解決することにします。
▼経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」は、HP参照
https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/


●主体性(物事に進んで取り組む力)

「オフサイトミーティング」は、気楽にまじめな話をする場です。まじめにまじめな話をする「会議」とは違います。この違いは、主に“話し合い方”でとらえられますが、一番根源的な違いは、「誰が、何のために開催・参加するのか」という場の目的に関する主催者・参加者の主体性にあります。

会議には、予め「議題(議事)」があり、組織としてそれを主管する担当部署が決まっています。メンバーも、議題に関して役割を担う者が招集されます。つまり、主催者も参加者も、自発的な個人の思いの有無には関係なく、定められた組織のレールに基づき動いているわけです。それゆえ、発言は、当然〇〇課長、〇〇担当など立場を背負って発言することになり、建前で話さざるを得ない状況になります。

一方、私たちスコラ・コンサルトがオフサイトミーティングで大切にしているコンセプトは「気楽にまじめな話をする」ことです。「気楽に」は、組織上の部署や職位を一旦横において、個々人が本来何を思っているのかの本音や立場・肩書を外した素の自分をもとに語り合うことを基本スタンスにしています。

それゆえ、主催者には、この場をなぜ、何のために開催するのかについて、自分の思いを持って取り組む“主体性”が必要不可欠な要素となります。また、誰を参加者として誘うのかにあたっても、自らの思いを伝えて共感してくれる人に呼びかけ、参加するかしないかは相手の選択に委ねることになりますので、参加者にとっても主体性が必須要件となってきます。

庁内で横断プロジェクトチームを立ち上げるときにも、メンバーが各部から一人ずつ指名された場合には、主体性を欠いた受身で参加しがちです。そのため、もしDX計画など参加メンバーに既成概念を打ち破る発想まで期待するような場合には、最初からオフサイトミーティング方式で行なうよう場づくりしておくことがお勧めです。


●課題発見力(現状を分析し、目的や課題を明らかにする力)

「オフサイト」を一般用語として「職場を離れた場所」「業務外」「時間外」としてとらえて開催する人が多くいます。その場合は、「気楽に気楽な話をする場」に近くなります。飲み会のように「あの人と知り合いたい」「誘われたから来た」、または、「自分が気になるテーマ」を掲げれば、この指止まれ方式で関心のある人だけが交流しに来る会合となります。

しかし、今回の場づくり実践セミナーでは、よりよい仕事ができる組織に変革するプロセスとして、定時内業務に関して行なうことをねらいとしています。それゆえ、開催にあたっては、まず主催者が自分の思いをもとにしつつも、組織内で正当に認知される背景理由を持って場の目的を伝える必要があります。

とは言え、既に予定された議題が明確にある場合と違い、まだ認識としては漠然としているところが多くあるでしょう。
・職員が目先の仕事に追われ、疲弊している
・なんとなくお互いがギクシャクしている
・今のままではまずいのではないか
など、もやもや、もんもんとしている状態が、オフサイトミーティングを立ち上げる主催者(世話人)につきものの問題意識と言えます。
そこで、このあいまいで先行き不透明な状況を、あるがままに受けとめながら参加者も意欲を持てる方向性をうまくテーマ(課題)として設定しておくことが大事です。

会議であれば、政策や業務の課題のみを掲げますが、それが進み難い要因や解決の糸口が職場内の雰囲気や職員どうしの関係にある場合には、めざすチームの状態をテーマとして設定するとよいでしょう。
例えば、「忙しくても一息つける職場にするには」「手戻りのムダをなくすチームプレーのあり方」「住民を笑顔にできるサービスのDX化」など、自分たちが今の状態に不満を感じている気持ちに寄り添い、将来に向けて問題を語りやすくなるテーマを見出してみてはいかがでしょうか。

テーマ(課題)は、まずみんなが話し合いの土俵に乗るための入口となるものです。自分たちで主体的に問題に目を向け、共感し合える課題を創出することは、場づくりの中でも最も重要なポイントと言えます。

ここから現状をふり返って、今何に問題を感じているのか、思いを吐き出し、お互いの思いやコンディション、周りの環境を共有し合えるようになれば、一緒に話し合う場の第一歩が踏み出せます。そこから次の能力・スキルについての続編は、またの機会にお伝えしたいと思います。

著者プロフィール

元吉 由紀子

元吉 由紀子

YUKIKO MOTOYOSHI

生活者起点で時代最適の価値を創造し続ける経営を実現できるよう、トップと現場の有志たちが連携・共振していくプロセスを一緒に築きあげている。

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