シリコンバレーのエンジニアは何を見ているか(前編) ~Change the World! 世界は変えられる|コラム|スコラ・コンサルト
シリコンバレーのエンジニアは何を見ているか(前編) ~Change the World! 世界は変えられる

シリコンバレーのエンジニアは何を見ているか(前編) ~Change the World! 世界は変えられる

源明 典子 | 2018.07.25

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シリコンバレーのエンジニアは何を見ているか(前編) ~Change the World! 世界は変えられる

今年2月、私はシリコンバレーで開催されたスタートアップ企業のグローバルカンファレンスに参加し、現地企業の人やオフィスを訪ねてきました。
カンファレンスのスピーカーは、ビジネスのスピードが速いシリコンバレーのスタートアップで働くエンジニアたち。
ここでは、彼らのプレゼンテーションや現地で働くエンジニアとのやりとりを通じて肌で感じたこと、日本企業との違いについてふれてみたいと思います。



世界を見るシリコンバレーのエンジニア「挑戦する働き方」


現地で頻繁に耳にしたキーワードに「Change the world(世界を変える)」があります。
驚くほどいろいろな人から、その言葉を聞きました。
日本で「Change the world」というと、どうしても現実離れした大げさな印象がありますが、シリコンバレーでは誰もがその感覚を当たり前のように持ってビジネスを考えているのです。

シリコンバレーのエンジニアは、「世界を良くするために、何ができるのか?」という「What」を常に自分に問いかけます。
見ているのは、破壊や格差や貧困が存在する現実の世界。
その世界を良くするために、自分の持つ技術や知識をもっと生かすことはできないか、どうすれば解決できるのか、という「How」を考え続けています。

その延長線上で、持続可能な環境、人々にとってより良い暮らしや社会をつくりたい。
それが、彼らにとっての「世界を変える」ことなのです。

たとえば、スタンフォード大学の経営大学院の学生の名刺の裏には、「Change lives. Change organizations. Change the world」と記されています。
彼らにとって「Change the world」は、自分の生き方と、仕事、社会とがごく当たり前につながる目的なのだと実感しました。


組織に従う日本企業エンジニアは「守る働き方」


シリコンバレーで働くエンジニアは、社会や暮らしを変えるという見地から自分の技術や働き方を捉えています。

一方、多くの日本企業のエンジニアは、会社から与えられた役割やタスクをしっかりと達成することが求められます。
それゆえに「What」を自分で考える必要がないまま、与えられた役割やタスクを「How(どのように)」こなすかを中心に考える傾向が強いように思います。

日本企業の場合は、役割に応じたタスクの達成が評価に結びつくため、失敗がなく確実に結果を出すための行動をとりがちなのです。

しかし、このようなメンタリティや仕事の仕方から自由な発想や革新的なアイデアは生まれません。
常識を離れて新しいものを生み出す創造性を育てるためには、小さなことでもチャレンジできる環境、それができる心理的、物理的なスペースが必要です。

その手前では、そもそも自分が「何をしたいのか(What)」を考えてみることが大切です。

もちろん、シリコンバレーのエンジニアのように「世界を変えること」を「What」にして仕事ができれば一番なのですが、いきなりは難しいもの。
まずは、「チャレンジ型」のアプローチを試してみてはいかがでしょうか。


「大目的」から考えるチャレンジ型アプローチを仕事に取り入れてみる


第一歩として、部門で何かの課題に取り組む際、自分たちで「狙いを立てて仕事をする」やり方を取り入れてみます。

「言われたことをやる」というスタンスではなく、目的ベースで自分たちが主体的に「これをやってみたらどうか?」と考えてみる。
自分の役割、タスクの延長線上に“未来につながる「何か」がある”と思いを及ばせて考えてみる。
その「何か」を見つけることが世界へとつながる入口になります。

そこで大事なのは、やみくもに考えるのではなく、自分たちの仕事で「誰の役に立ちたいか」「いったい何のためにするのか?」という、より大きな目的(=上位目的)を一度、みんなで考えてみることです。
大きな目的が設定されると、必然的に、そのためには何が必要か、何をするともっと近づけるのか、というアイデアの量が増えていきます。
アイデアの量が増えれば、アウトプットの質も変化します。

仕事の大きな目的を考え、狙いを定めることで、自部門の仕事、自分の仕事の意味も大きく変わっていくのです。

そのための議論のプロセスも変わります。よくある例を取り上げてみましょう。

メーカーで新商品について考える機会があったとします。
既存の知識や技術、経験をもとに基本性能や付加機能を見直してみても、出てくるアイデアは“改良レベル”で想定内のものばかり……。
そんな時は、いったん思考をリセットし、まずは上位の「大目的」から議論してみます。
今まで見ていなかったものが見えてくるはずです。

たとえば、「日本で便利さNo.1」という大目的を定めたとしたら、「自社の強みをどこに絞るか、磨くか?」「具体的に、商品でどんな価値を提供するか?」など、大目的に向けたターゲットを絞り込んでいきます。

こうした大目的に向けた“自社の付加価値”に関する議論を何度も繰り返し、深めていく。
議論を深めれば深めるほど、当初は想定していなかった自社のブラインドスポット(死角)が浮かび上がり、勝てるターゲットとなる課題が見えてきます。
それをどうやって実現するか。
そこで初めて「何を使って、どのように解決するか」が焦点になり、「HOW」の情報を集めたり、知恵を絞ったりすることになるのです。


「Change the world」は決して特別な、自分とは別世界の話ではありません。

そこに暮らす人々やサービスを受ける人たちが、もっと便利に、もっと楽になるために、自分ができることを考えること。
自分や自分たちが持つ技術や知識が今そこにある現実の問題や課題を変えていけるとしたら、そのことこそが世界を変えるアクションではないでしょうか。


※後編では、チャレンジ型の仕事に必要な条件と、チャレンジを可能にするチームづくりについてご紹介したいと思います。


▼エンジニアLinkのサイト
http://www.join-engineerlink.com/

著者プロフィール

源明 典子

源明 典子

NORIKO GENMEI

いい会社、いい組織づくりには、社員が自ら組織で知恵を出して実践する環境が不可欠と考え「ありたい姿」「自発性を引き出す」「チームの協働」「マネジメントの変革」の視点をもって支援に携わる。とくに、製造業の…

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