関係性の質から入るアプローチだったことが支援会社選定の決め手に

ー スコラ・コンサルトを採用した理由と、「関係性の質を変えることから始めよう」という考えに至った経緯も教えてください。

松岡部長:ほかのコンサルティング会社は「行動の質からのアプローチ」が中心だったのに対し、スコラ・コンサルトは唯一「関係から入っていくアプローチ」でした。MIT組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏が提唱した組織開発のフレームワークで「成功の循環」というモデルがあります。関係が良くなれば、思考が変わります。考え方が良くなれば、行動も変わります。行動が変われば、結果も変わります。それで良い結果が出ると、人間関係にも好影響をもたらしていくという循環モデルです。


我々は以前から「行動の質からのアプローチ」として「VC運動(バリューチェンジ運動、ボトムアップ型の改善活動の仕組み)」に13年ほど取り組んできました。しかし、「行動の質から入る」ことがうまくいっていないという意識もあって。行動もするし結果も出るけれど、関係性の質が伴っていないからサイクルが回っていかないと感じていました。
それで「関係から入っていくアプローチ」のスコラさんと契約して、組織風土改革に動き始めることに決めました。「関係から入る」と「行動から入る」の両輪で相互補完的に、改革の好循環がより回るようになればいい、と考えたのです。

実際の取り組み

2023年7月よりスコラ・コンサルト支援のもと、松岡部長をはじめ、事務局(企画部メンバー)が旗振り役となり、組織風土改革の取り組みがスタートしました。実際の取り組み概要を紹介します。

 

取り組み対象者概要
事務局立ち上げ企画部
(松岡部長・木下さん・のちに津坂さん)
組織風土改革を進めていくためのプロセス策定

個別インタビュー実施による工場現状把握
個別インタビュー部長層・課長・マネージャー層・一般職まで選抜者工場の現状把握の目的でヒアリング(インタビュー実施はスコラ・コンサルト)

インタビューをもとに事実実態や仮説を事務局とスコラ・コンサルトで話し合い、進め方を決定
社内アンケート四日市工場2023年7月以降、1年に1度「今、自分たちはどうか?(現状認識把握)」を確認するための社内アンケート

結果は悪くないが「特徴がない組織」であると明らかに
キックオフミーティング管理職は全員、一般層は指名されたメンバー組織風土改革を始めるためのミーティング。キックオフ後は役職階層ごとにミーティングを実施

終わった後に「すごく楽しかった」という人も

想いを持った人、自分の意見を言える人がいたこともわかったことが大きな変化点となった
マカロン活動(=「まじめに、かざらず、論じ合おう」)部署ごと
または
部署や役職の垣根を超えてなど場合による
社内コミュニケーションを促進する目的で、論じ合う場。階層別、部署別、テーマ別など複数の切り口で実施されている

会をコーディネートする役割のオフサイトコーディネーター(OC)(※2)が現在12名、さまざまな部署にいる
合宿部長層
(部長層のオフサイトミーティングの一環)
宿泊・飲食を交えた合宿

部長層が長時間ともに「どういう工場でありたいか」「心に思っているが言葉にうまくできないこと」本音で集中して対話を深めた

その後は月に2 回、部長層で自主的に集まってミーティングを実施

合宿を境に「関係性が作れた」「対話の質が変わった」
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)有志8名
(工場内自走)
MVV作成に取組み、過程も公開

機会があれば取組みに参加したい人は潜在的にいることがわかった
対話会工場長・副工場長と四日市全社員
(工場内自走)
工場トップと工場全社員の対話の場

最初は遠慮して、きれいごとしか言わなかった人たちが、少しずつ「何でも言っていいのかな?」といった雰囲気が醸成されてきた
(心理的安全性の確保)

※2 オフサイトコーディネーターとは、オフサイトミーティングを主導するメンバーのこと。オフサイトミーティングとは「気楽にまじめな話をする」ための場であり、スコラ・コンサルト独自の手法。詳細はこちら

これらの取り組みのなかで重要なポイントは「マカロン活動」の実施と、その会をコーディネートする「オフサイトコーディネーター(OC)」の存在とその育成です。

オフサイトコーディネーターは、対話会で誰が何をどういった目的で話すか、組織課題は何か、どのように解決していこうかなどの企画設計を担う役割。当初はすべての場をスコラ・コンサルトがコーディネートしていましたが、現在複数の場を設計からコーディネートまで事務局やコーディネーターが行うようになりました。
オフサイトミーティングは、管理職からトップダウンでアプローチする手法ではありません。一般層の社員が社内コミュニケーションの場をコーディネートし、部署や肩書の垣根を取り払って、目的を持ってじっくりと論じ合い、互いを理解する場を展開していく取り組みです。本気で話し合える関係性づくりと、本質的な対話を大きな目的としています。

ー オフサイトコーディネーターの一人にアサインされたときは、どう思いましたか?

眞野さん:改善や新しい挑戦にはワクワクする楽しさがあり、自然と期待が高まりました。今では、一般層のオフサイトミーティングのコーディネートと、課長・マネージャー層のオフサイトコーディネーターの役割も担っています。

山野さん:最初は「これからどう展開していくんやろ?」と、先が見えないなかで取り組んでいくことに、少し不安な心持ちでした。今では、ミーティング前に事務局メンバーと一緒に「どうやって進めていこうか」とすり合わせるための作戦会議を行なったり、会が終わってから「(結論が)こうなっちゃったね」「次はどうしていこうか」と、取り組み自体の方向性の話をするときもあれば、コーディネーターとしての反省会も行ない、「上手くコーディネートするために」といった部分と向き合っています。

ー オフサイトコーディネーターを実際にやってみて、ご自身の変化はいかがですか?

眞野さん:コーディネーターっぽく振る舞う場面が多くなりました。工場長と社員たちの対話会のときも「もう少し話を広げないと・・」みたいな感じに振る舞ったり。「問いかけても、なかなか返ってこない人も多い」とわかった気がします。「好き勝手言えるタイプばかりじゃない」、「しっかりと発言を引き出してあげないと」といったことも感じました。

山野さん:傾聴というか、聞く側に回ることがすごく増えたような気がします。自分は「思っていることは伝えよう」といったタイプということもあり、今思うと以前は「聞き出すこと」にあまりフォーカスできてなかったように思います。

ー オフサイトミーティングを通じて、 午起一課で決めたことについてお聞かせください。

田口さん:2024年12月、午起一課のコアメンバーで「半年から1年間、生産トラブルを起こさない。そのために、自分たちができることを決めて、実行していく」という、部署内の活動方針を決めました。
現状や思いを出し合い、方針を決める中で、みんながそれほど「グイグイやる」という感じではなく、いろいろな考え方があることがわかりました。そのときに初めて「こういう考えで仕事しとるんや」と知り、自分自身も仕事について若手メンバーや先輩と話せてなかったのかな、とあらためて思いました。