第2期のメンバーは半数が女性
第1期の活動は、GL/TL対話会を成果として24年12月に終了した。第2期がスタートしたのは25年3月。第1期メンバーのうち4人が継続し、事業部内の公募で新たに4人が参加した。
「第1期は女性が2人だったのが4人に増えました。事業部内の男女比率を考えると、推進メンバーの半分はかなり多い。若手が入って平均年齢も下がりました。うれしかったのは、工場勤務で時間の制約があるのに、生産部門からも参加してくれたことです」(伊東さん)
メカトロニクス事業部は、組織再編によって一部の部門が他の事業部や関係会社に移管された。第2期には、関係会社に移った部門からの参加者もいて、SHIグループ内で珍しい混成チームとなっている。新メンバーのほとんどは会報を読んでいたので、活動内容の共有は効果があったことがわかる。
第2期も全員のジブンガタリからスタートし、アクションとして「キャリア入社者の同期会」というアイデアが出た。キャリア採用の人たちは入社時期がバラバラのため、同期の仲間がいない。横のつながりは業務に役立つので、第2期メンバーで2024年入社、2023年入社の同期会を企画した。社内で対話を体験してもらい、そのまま懇親会に移行してもらうというものだ。
同期会の発展型として『ここがヘンだよSHI』というプランもある。転職してきた人は、組織風土を客観視できるので、思いがけない貴重な意見が聞けるだろうと期待されている。
鈴木さんは、PRIDE PJによって職場の心理的安全性が意識されるようになったと話す。
「PRIDE PJで対話を経験すると、自分の意見を率直に話していいんだと意識が変化します。Googleで知られるように、心理的安全性が高い会社は業績がいい。若手社員も自由に発言できて議論が活発になれば、新しい技術や新しい製品が生まれやすくなる。『前より意見がいいやすくなった』という声が聞かれるので、徐々に変わってきました。少なくとも『意見を聞いてもらえない』といった不満は減っていると思います」

伊東さんは、PRIDE PJによって組織に明らかな変化が起きたと語る。
「ほとんどの社員は、じっくり対話することや自分たちでアクションを決めて実行することに慣れていません。事業部内で進めると、活動が短絡的になってうまくいかない恐れがある。本社の組織開発グループに伴走支援してもらい、スコラさんにプロの目でファシリテートしてもらうから継続できるのだと思います。将来的にはリーダークラスにファシリテーションのスキルを身につけてもらい、事業部全体で対話が当たり前の風土ができるのが目標です」
事業部スポンサーが求める組織の状況を実現するため、終わりのないPRIDE PJの活動はつづく。
